様々な事情から、夫や妻と直接のやりとりをしたくない、顔を合わせたくないというケースはよくあります。しかし、親が子どもに対し暴力を振るう等、面会交流をすることが子どもにとって悪影響となるような事情がない限りは、子どものためには、できる限り面会交流は実施した方が望ましく、何らかの方法で面会交流を行っていく必要があります。

例えば、他の家族(子どもにとっての祖父母や叔母等)の協力が得られるのであれば、他の家族に連絡や子どもの受渡しについて協力を求めることで、面会交流を実施していくという方法があります。

また、そのような家族の協力を得ることが難しい場合などには、面会交流の援助をしている団体の助けを借りるというのも一つの方法です。例えば、公益社団法人家庭問題情報センター(通称「FPIC」)では、面会交流の付添や受渡しなどの援助を行っています。離婚を含む家庭紛争の調整や調査に携わってきた元家庭裁判所調査官が中心となって設立された団体であり、全国各地に相談室が置かれており、ここの利用を検討してみてもいいと思います。但し、各県に設置されているわけではありませんし、面会交流援助を受ける場合には費用もかかりますので、そこも含めて検討する必要があります。

なお、相手方からDVがあった等の理由で、相手方に住所を教えたくない場合には、役所に申請することにより、住民票の閲覧交付制限を受けることができます。住民票に閲覧交付制限をかけた上で、子どもの引渡方法を工夫することにより、相手方には住所を知られずに面会交流を実施することも可能です。