相手方の両親との仲が悪いことを理由に離婚を希望されるという場合もあります。相手方の両親から自らの行っている家事、育児、仕事等に暴言を吐かれたり、嫌味をいわれたりして酷く心を傷つけている事案もあるところです。

もっとも、夫婦の関係が破綻しているかどうかはあくまで夫婦間の問題であって、両親との仲が悪いからといって簡単に離婚が認められるわけではありません。

ただ、相手方の両親との仲が悪い時に間に入って仲を取り持つことができるのはやはり相手方です。相手方が両親との仲が良くなるよう努力するわけでもなく、むしろ両親の肩を持つような態度を続ければ当然夫婦としての信用や愛情を失うことに繋がっていきます。

裁判例も、相手方が両親との仲の悪い状態にあることを知りながら、関係を改善するための積極的な努力をしない状態が続いた等の事情があれば、離婚原因になると認めています(津地四日市支判昭和37年11月8日判タ148号92頁、名古屋地岡崎支判昭和43年1月29日判時515号74頁)。

ですので、相手方の両親との仲が悪いことを理由に離婚を希望する場合には、具体的には相手方の両親とどのようなことがあったのか、それに対する相手方の態度はどうだったのか、そのような期間がどの程度続いているのかを聴き取らせていただいた上で、裏付けとなる証拠の有無も確認させていただくようにしています。

なお、簡単には離婚が認められる理由にはならないことは既に述べたとおりですので、その他に離婚の原因はないかについても確認する必要がある場合もあろうかと思います。