結婚していない男女の間に生まれた子どもについては、認知をすることによって自分の子であるということを決めることができ、この認知によって親子関係が成立します。

法律上は、「父又は母」が認知することができるとされていますが(民法779条)、母親については、認知をしなくても出産によって当然親子関係が成立するとされていますので(最判昭和37年4月27日民集16巻7号1247頁)、認知は男性が父子関係を認めるかどうかを決める手続ということになります。

認知をすると、法律上の父子関係が生じ、その効果は原則として出生のときに遡るとされていて(民法784条)、以下のような違いが生じてきます。

まず、結婚していない男女の間に生まれた子どもは、親権者が母親で、母親の氏を名乗りますが、父親が認知した後は、親権者を父親に変更したり(民法819条4項)、父親の氏に変更することができます(民法791条)。

また、法律上の親子には互いに扶養する義務がありますので(民法877条1項)、原則として成人に達するまでは子どもは父親に対して養育費の支払いを請求することができますし、逆に、父親が生活に苦しんでいる場合は成人した子どもに対して扶養料を請求することができるようになります。

さらに、法律上の親子には互いに相続する権利が発生し得ますので、父親が先に死亡した場合には子どもが相続する権利を有することになりますし(民法887条1項)、子どもが先に死亡した場合であって、その子どもの孫がいない場合には父親が相続する権利を有することになります(同法889条1項1号)。