性格の不一致は、最も多く主張される離婚原因と言われます。

けれども、“性格の不一致”は多かれ少なかれ全ての夫婦に認められるものですので、単に性格が合わないというだけではおよそ離婚は認められないと考えて良いでしょう。

例えば、裁判例の中には、相手方の性格や態度が夫婦関係を冷却された一因であったこと等を認めながら、「原告と被告との出来事は、いかなる夫婦でもありがちな事柄の程度の域を出ず、相手の人格を根底から踏みにじったものと言うことはできない」と判断したものがあります(札幌地判昭和50年3月27日判タ327号301頁)。

裁判例を分析する限り、

  • ・どのような“性格の不一致”を窺わせる事実が今まであったのか、
  • ・相手方が配偶者として努力してきた一面もあるのではないか、
  • ・離婚を請求する側にも問題はなかったか、
  • ・別居期間がどの程度続いているか、
  • ・夫婦関係を修復する機会があったか、

等を総合的に考慮して離婚を認めるか否かが決定されているように思います。

そのため、性格の不一致を理由に離婚を希望される方については、以上の点について具体的な事情を伺わせていただくようにしています。