結婚していない男女の間に生まれた子を認知する場合や、逆に、親子関係の不存在を確認する場合において、しばしば生物学上の父子関係の存否が争いとなります。

現在では、鑑定技術の進歩により、「DNA鑑定」を実施することによって、生物学上の父子関係を科学的かつ客観的に明らかにすることができます。

「DNA鑑定」を行う方法としては、裁判所外で当事者が鑑定業者に依頼をして実施することもできますし、調停等裁判所の手続きの中で裁判所を通して実施することもできます。

いずれの場合においても、父(と思われる者)、母、子の3名からサンプルを採取しなければなりませんで、「DNA鑑定」の実施には、母親側の協力が必須となります。もっとも、父(と思われる者)と母が顔を合わせたくないような場合には、別の場所でのサンプル採取が可能です。

「DNA鑑定」にかかる費用は、依頼する業者にもよりますが、10万円程度としているところが多いです。高額な費用となるため、事前に費用負担について決めておく必要があります。なお、裁判所の調停においては、原則として、申立人側がこの費用を負担することになります。

「DNA鑑定」の結果は、サンプル取得日から10日間程度で、「鑑定書」という形で届きます。

なお、「DNA鑑定」の結果により、直ちに法律上の親子関係が確定するわけではありません。「DNA鑑定」の結果をもとに、認知や親子関係の不存在の確認等、法律上の手続きを取る必要がありますので、ご注意ください。